ドワイト・アイゼンハワーは、限界に近いほど生産的な人生を送りました。
第34代アメリカ大統領を1953年から1961年まで2期務め、在任中にアメリカの州間高速道路システムの開発、インターネット（DARPA）の創設、宇宙開発（NASA）そして、代替エネルギー源の平和利用（原子力法）に直接つながる組織を立ち上げました。
大統領になる前はアメリカ陸軍の五つ星将軍であり、第二次世界大戦中にヨーロッパ連合軍最高司令官を務め、北アフリカ、フランス、ドイツへの侵攻計画と実行を担当しました。
その他にも、コロンビア大学の学長やNATOの初代最高司令官を務めたり、ゴルフや油絵といった趣味を楽しむ時間も見つけました。
アイゼンハワーは、数週間や数ヶ月だけでなく、何十年にもわたって生産性を維持する驚異的な能力を持っていたことは間違いありません。そのため、彼の時間管理、タスク管理、生産性に関する方法が多くの人々によって研究されているのも不思議ではないですよね。
彼の最も有名な生産性戦略は「イーロングラフ（アイゼンハワー・マトリックスとも呼ばれる）」として知られています。今すぐにでも使える簡単な意思決定ツールです。それでは、生産性を向上させる方法とアイゼンハワーの戦略についてご紹介していきましょう。
イーロングラフ：生産性を向上させる方法
アイゼンハワーの行動を起こすための戦略とタスクを整理する方法は単純です。以下の意思決定マトリックスを使用して、行動を4つの可能性に分けます。
- 緊急かつ重要（すぐに行うタスク）
- 重要だが緊急ではない（後で実行する予定のタスク）
- 緊急だが重要ではない（他の誰かに任せるタスク）緊急でも重要でもない（削除するタスク）
このマトリックスの素晴らしい点は、広範な生産性計画（「毎週どのように時間を過ごすべきか？」）や、より小さな日々の計画（「今日何をすべきか？」）にも使用できることです。
イーロングラフを使って生産性を向上させる方法
重要なことはめったに緊急ではなく、緊急なことはめったに重要ではない -ドワイト・アイゼンハワー
緊急と重要の違い
緊急なタスクは、メール、電話、テキスト、ニュース記事など、反応が必要だと感じるものごとです。一方で、ブレット・マッケイ氏の言葉によれば、「重要なタスクは、私たちの長期的な使命、価値、目標に貢献することです。」とも言われています。
これらの違いを判断するのは難しいことではありませんが、継続的に行うのは難しいこともあるでしょう。
私がアイゼンハワーマトリックスを気に入っている理由は、何度も意思決定を行うための明確な枠組みを提供してくれるからです。人生の中で最も難しいのは、続けることですから。
この方法を使って得た私の他の観察をいくつか紹介します。
最適化よりも削除
数年前、コンピュータプログラミングについて読んでいたとき、興味深い引用を見つけました。
「１行も書いていないプログラムより速いコードはない」 -ケヴリン・ヘンニー
つまり、何かを終わらせる最速の方法（コンピュータがコードを読むのか、やるべきことリストからタスクを消すのか）は、そのタスクをそもそもやらないことです。
何もしないで終わらせる方法はこれ以上なく速いです。これは怠けるための理由じゃなくて、むしろ自分の使命、価値、目標に向かわないタスクを削除するという難しい決断を迫り、追い込んでいるんです。
私たちは、生産性や時間管理、最適化を、本当に困難な質問を避けるための言い訳として使うことがしょっちゅうあります。「これを実際にやる必要があるのか？」という疑問に答えることは、自分にとってやり慣れたタスクを行うのをやめて、時間の最も価値ある使い方をすることに比べて、はるかに簡単です。
ティム・フェリスは以下の言葉を残しています
「忙しいことは怠惰の一形態です。無分別な行動と怠惰な思考の結果です。」
アイゼンハワーマトリックスが特に役立つと感じるのは、行動が本当に必要かどうかを問いただすことで、タスクを無意識に繰り返すのではなく、「削除」の領域に移動する可能性が高くなるからです。正直、もし毎日無駄に使っている時間をすべて削除することができるのならば、どうやって生産性を向上させるかについてのアドバイスなど必要なくなると思います。
これは私の目標達成に役立つのか？
最後に述べておきたいことがあります。
何を目指しているのかが分かっていなければ、無駄な時間を排除するのは難しいです。
イーロングラフ全体のプロセスを明確にするのに役立つ2つの質問があります。
その2つの質問とは…
- 私は何を目指しているのか？
- 私の人生を駆り立てる基本的な価値観は何か？
これらの質問は、私が年次レビューやインテグリティレポートで自分自身に尋ねたものです。これらの質問に答えることで、人生における特定のタスクのカテゴリーを明確にするのに役立ちました。自分にとって何が重要かを明確にすることで、どのタスクを実行し、どのタスクを削除するかを決定するのがずっと簡単になります。
アイゼンハワーマトリックスは完璧な戦略ではありませんが、生産性を向上させるための有益な意思決定ツールです。精神エネルギーを消費し、時間を無駄にし、めったに目標に向かわせてくれない行動を排除する方法としても効果的です。皆さんもぜひ活用してみてください。
要約すると、イーロングラフは、「緊急かつ重要なタスク」「重要だが緊急でないタスク」「緊急だが重要でないタスク」そして「緊急でも重要でもないタスク」を分類することによって、生産性を向上させるための簡単な意思決定ツールです。この方法を使うことで、時間の使い方を最適化して、目標に向かって効率的に進むことができます。アイゼンハワーの戦略を試してみて、生産性向上に役立ててください。